乳がんのホルモン療法中にイソフラボン(エクオール)やプラセンタを飲んでもよいか?

猫

管理人の身内が乳がんで闘病中です。

手術と抗がん剤治療を終え、今はタモキシフェンによるホルモン療法を受けています。

薬でエストロゲンを抑える治療なので、副作用の更年期症状がキツイようです。

ほてり、イライラ、落ち込み…不眠にもなりました。

抗がん剤で脱毛した髪は生えてきましたが、以前のような艶がなく白髪も増えました。

小じわも増えて、一気に老け込んだと気に病んでいます。

治療はまだ何年か続きます。

ツラさが少しでもやわらぐように、エクオールやプラセンタのサプリメントを利用するのはダメなのでしょうか?

 

タモキシフェン服用中のエクオール

エクエルとエクオール+ラクトビオン酸

 

  • 薬を服用中あるいは通院中の方はご使用前に医師にご相談ください。
  • 気になる婦人科疾患・乳腺疾患がある方は、ご使用前にかかりつけの医師にご相談ください。

エクエルもエクオール+ラクトビオン酸も、メーカーの公式サイトを見るとこのように記載があります。

サプリメントは食品なので『基本的には』投薬中に飲んでも問題ないのですが、やはり医師に相談すべきです。

 

身内が主治医に相談したところ、

「イソフラボンが良いとわかっているので、豆腐やお味噌汁などの大豆製品は積極的に食べてください。」

「でも、サプリメントで大量に摂るのは、やめておいてくださいね。」

ということでした。

スーパードクターはエクオールOKと

しかし、乳がんプラザのスーパードクター・田澤先生はエクオールについて、患者さんからの質問に対し、次のように回答されています。

私は乳癌患者さんの「安全なエストロゲン欠乏症状の緩和」として期待していますが、(上記のことを知らない、興味が無い)乳腺外科医からは「止めなさい」と言われるかもしれません。

「エクオールを服用しては支障あるカテゴリーの乳ガン患者というものはあるのでしょうか。」
⇒ありません。

乳がんプラザ Q&A[管理番号4715]「ホルモン療法について」 田澤先生の回答より抜粋

今週のコラム74回目にもエクオールについて書かれています。

スーパードクターの回答と主治医の意見が違っていますが、これはどうしてなのでしょう?

さらに調べると、日本乳癌学会でこのような記載を見つけました。

大豆イソフラボンの摂取で乳がん再発リスクが低くなる可能性があります。

しかし,再発リスクを下げる目的でイソフラボンをサプリメントの形で多量に摂取することは,効果と安全性が証明されていませんので勧められません。

通常の大豆食品から摂取するように心がけましょう。

日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドラインより

再発リスクを下げるため多量にはNG

主治医の意見は、ガイドラインに沿ったものだと思われます。しかし、

  • 「エストロゲン欠乏症状の緩和」のために適量を摂る
  • 「再発リスクを下げる目的で多量に摂取する」

この二つを同列に扱うのは少し違うと思うのです。

エクオールのサプリメントは、イソフラボンの1日量として、厚生労働省が勧める摂取量以下に設定されています。

きちんと飲み方を守れば、「多量に摂取する」には該当しないのではないでしょうか。

 

だけど主治医から「イソフラボンのサプリメントは避けるように」と言われれば、それに従うべきかも知れませんね。

 

エクオールの検査をすべき?

身内も、本当は「エクオールを飲んでも大丈夫なのでは?」と思っています。

でも主治医にダメと言われたら、それを無視するのは抵抗があります。

「聞かなきゃよかったかな…」

「先に、スーパードクターの回答を見つけていたら…」

そんなことを言いながら、真面目に主治医の指示に従っています。

毎日せっせとお味噌汁を作って飲んでいます。

これはこれで正解ですね。

本人が納得して、自分で決めるべきだと思います。

 

大豆

 

しかし、ここで疑問に浮かぶのは、エクオールを作れる体質かどうか?ということです。

 

 

いくら大豆製品を食べても、管理人のようにエクオールを作れない体質だと、イソフラボンの恩恵はほとんど受けられません。

でも、エクオールのサプリメントは飲まないと決断した後で、エクオールを作れない体質だと判明したとして、よいことはあるでしょうか?

病気にはストレスが何よりダメなので、あえて調べないことにしました。

 

プラセンタはどうだろう?

髪や肌のために、お味噌汁だけでは心許ないので、プラセンタのサプリメントを検討しました。

いろいろな健康効果があり、美容にも良いと話題ですね。

プラセンタ療法を取り入れている婦人科クリニックも多いです。

しかし、プラセンタ=胎盤 です。

なんだか女性ホルモンがブリブリ入ってそうな予感がしますが、どうなのでしょう。

 

猫

 

日本産婦人科学会のホルモン補充療法ガイドライン に、プラセンタについて次のような記載があります。

 

  • 1956年に発売された1種類の皮下注射製剤に更年期障害に対する保険適用がある。
  • 更年期障害に対する保険適用があるが、プラセンタはホルモン補充療法の代用とはならない。
  • プラセンタ製剤にはホルモン作用がない。
  • 重篤な有害事象は報告されていない。

1956年発売とは…けっこう古くから使われていますね。

それだけ昔から使われていて重篤な有害事象の報告がないのだから、プラセンタは安全だといえるでしょう。

しかも、プラセンタにはホルモン作用がなく、ホルモン補充療法の代用にはならないと、バッサリですね。

さらに、サプリメントのプラセンタ(飲むタイプ)と、更年期障害によく使われる漢方薬「当帰芍薬散]を比較した試験では、プラセンタの摂取により簡易更年期指数の点数が改善したという報告があります。

ホルモン作用はないけれど、更年期障害は改善するということですね。

同じく更年期症状に使われるブラックコホシュも、かつては女性ホルモン作用があると思われていたのが、最近の研究ではホルモン作用はなく中枢性に作用することがわかっています。

更年期症状に効果があるからといって、女性ホルモン作用があると決めつけてはダメですね。

プラセンタと乳がんの関係は?

先ほどの話は医薬品(注射薬)のプラセンタですが、もちろんサプリメントのプラセンタにも品質の基準があり、ホルモンは含まれません。

サプリメントは食品なので、医薬品に比べるとさらにマイルドで安全といえるでしょう。

しかし、プラセンタで乳がんのリスクが高まる?という情報も目にします。

これは誤解が口コミとして広まっているようです。

前述の乳がんプラザの田澤先生は、次のように明確に回答されています。

 乳がんで確実にリスク因子となるのは「喫煙とアルコール」だけであり、そこに(閉経後の場合)「脂肪摂取とその結果起こる肥満」があります。
それ以外は全く問題ありません。(乳製品や大豆イソフラボンは寧ろいい)※1

「以前からプラセンタのサプリを飲んでいますが、これは乳癌に関係あるでしょうか。」
⇒無関係です。※2

「これからも飲んでいてかまいませんか。」
⇒構いません。※2

乳がんプラザ Q&A 田沢先生の回答より抜粋(※1)(※2

管理人は、日本乳癌学会のガイドラインにも目を通しました。

もしプラセンタが乳がんに関係するなら、注意喚起されているはずですが、プラセンタに関する記述は見当たりませんでした。

プラセンタのメーカー(製薬会社)に聞く

念には念を入れ、プラセンタのメーカーに問い合わせました。

プラセンタのサプリメントはたくさんありますが、その中で、製薬会社から出ているものを見つけました。

プラセンタの泉360

サン・クラルテ製薬という製薬会社が開発した製品です。

吸収されやすくナノ化処理された国産馬プラセンタに、ヒアルロン酸産生乳酸菌、プロテオグリカン、セラミド、コラーゲンなど、肌や髪に必要な成分が入っています。

一番の悩みである、ホルモン療法(タモキシフェン)による髪や肌の衰え、老け込みに良さそうです。

 

馬プラセンタ

 

さて、「乳がんで治療中なのですが…」という問い合わせに対する回答ですが、

「食品ですので、まったく問題なくお使いいただけます。」

とのことでした。

さらに、「同様のお問合せを多くいただきますよ。」と。

実際、同じ状況で利用している方も大勢いらっしゃるようです。

安心しました。

 

ここまで調べた結果から、プラセンタを使うかどうかは本人が決めることです。

でも良さそうなので、私が使ってみようかな?と思いました。

プラセンタが届いたと連絡が

結局、管理人の身内はプラセンタを試してみることにしたようです。

届いたよ~♪とLINEが来ました。

プラセンタの泉360

サプリメントなので即効性は期待できませんが、悩み解消の助けになってくれることでしょう。

管理人もエクオールだけでなく、プラセンタなど他のものも上手に取り入れて、いつまでも健康できれいに過ごしたいと思いました。

 

 

抗エストロゲン薬 タモキシフェンについて

(製品名はノルバデックス、タスオミン、フェノルルン、エマルック、アドパンなどいろいろ)

タモキシフェンは、乳腺組織に対してエストロゲンのアンタゴニストだが、骨組織、子宮内膜、脂質代謝に対してはアゴニストとして作用する。

タモキシフェンは、肝臓のシトクロームCYP2D6で代謝されて効果を発揮する。

遺伝子タイプによって、このCYP2D6の代謝機能が低いorない人がいて、その人はタモキシフェンの効果が低い。

ホットフラッシュに用いられるパロキセチン(抗うつ剤)は、CYP2D6を阻害するので、パロキセチン投与で乳がんによる死亡リスクが上昇するという報告がある。

なので、タモキシフェンによるエストロゲン欠乏症状(ホットフラッシュや落ち込み)には、パロキセチンは使えない。

安全なエストロゲン欠乏症状への対策として、エクオールが期待される。

↓↓管理人が今続けているエクオール
キレイ・デ・エクオール 

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