更年期の女性におすすめのイソフラボンですが、必要量を食品で摂ろうとすると、
- 豆乳 1200ml
- 小大豆もやし 7袋
こんな量を1日に食べることになります。
ちょっと信じられないくらいの量ですが、これには理由があるのです。
食事から十分なイソフラボンを摂るのは難しい
大豆・大豆製品に含まれるイソフラボンは、グリコシド型(配糖体)といって、そのままでは吸収されません。
腸内細菌が分解し、糖が外れてアグリコン型になって初めて吸収されるのです。
豆乳や小大豆もやしに含まれるグリコシド型のイソフラボンを単純にアグリコン型に換算すると、それぞれ400ml、2袋ちょっとになりますが、実際にアグリコン型になる量は異なるのです。
せっかく食べても吸収されるのは20%程度と言われています。
なので、豆乳400mlを飲んだとしても必要量のイソフラボン(イソフラボンアグリコンとして75mg)を摂取することは出来ないのです。
グリコシド型はアグリコン型の1/3の吸収率と言われますので、豆乳なら1200ml、小大豆もやしなら7袋必要ということになります。
アグリコン型のイソフラボンなら吸収率が高い
そういえば、国立がん研究センターの研究で、
たとえば1日3杯以上みそ汁を飲む人達で乳がんの発生率が0.6倍、つまり40%減少しているということになります。これらの値は、乳がんに関連する他の因子(初潮年齢や妊娠回数など)の影響を取り除いて計算しています。「大豆、豆腐、油揚、納豆」では、はっきりとした関連が見られませんでしたが、「みそ汁」ではたくさん飲めば飲むほど乳がんになりにくい傾向が見られました。
引用元:「大豆・イソフラボン摂取と乳がん発生率との関係について」国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ
みそ汁だけ乳がんになりにくい傾向が見られたとありますが、「大豆、豆腐、油揚、納豆」に含まれるイソフラボンは配糖体(グリコシド)で、味噌はアグリコンなのです。
みそ汁だけ他と違う傾向が見られたのは、イソフラボンの型が違うからでは?と私なら考察します。
納豆のイソフラボンはアグリコン型?グリコシド型?
大豆食品の中で、麹菌で発酵している味噌や醤油だけがアグリコン型なのです。
これは、A.オリゼー(麹菌)が良い仕事をしてるんですね。
麹菌はタンパク質やデンプンを分解する酵素を出しますから、配糖体のイソフラボンを分解してアグリコン型にしてくれるのです。
同じく発酵食品の納豆はどうでしょう?
アグリコン型では?と期待しますが、納豆は発酵しているけど納豆菌なので残念ながらグリコシド型なのです。
一般的な大豆製品で、アグリコン型のイソフラボンを摂れるのは麹菌で発酵している味噌と醬油です。
食品というより調味料ですから塩分が気になりますし、そんなにたくさん食べられませんね。
サプリメントならアグリコン型を手軽に
サプリメントなら、アグリコン型のイソフラボンを主成分としたものがあります。
また、含まれている量もはっきりしているので、確実にイソフラボンを摂取することが出来るでしょう。
市販されている中にはグリコシド型のサプリも多いので、選ぶときには注意が必要です。
本来は必要な栄養は食事から摂るのが良いのでしょうが、正しい知識と理解でサプリメントを賢く利用したいですね。
イソフラボンのアグリコン型はさらに代謝されてエクオールになりますが、この代謝する腸内細菌は半分の人にしかありません。